店長に求められている仕事・責任とは何なのでしょうか。日々の細かな業務に追われて、自分がすべき本来の仕事ができなくなってはいませんか?
業務や雑用は色々あるけど…店長には何が求められてるんだろう
飲食店の店長に求められる仕事は以下の5つです。
・利益目標の達成
・店舗の状態管理
・人財の育成
・会議、報告、MTへの参加
・クレーム処理対応
この5つの仕事は、店長だけに求められます。一般社員やアルバイトが責任を負う仕事ではありません。
同時に、これらの仕事(特に上3つ)は、どれもスタッフ全員の頑張りの上に成り立つものです。店長が一人で行動しても決して達成できません。
店長は、スタッフと協力してこれらの仕事を進めなければなりません。
皆で協力してより良い店づくりをしよう!
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利益目標の達成
利益を獲得する方法は以下の2つです。
①売上を上げる
②経費を下げる
店長に最も求められる仕事は、利益を獲得できるように知識と経験・アイデアと行動力を活かして、店舗作りに取り組むことです。
店長には、最終利益に対する責任があるんだね
売上の管理
・売上の獲得
売上の上げ方にはいくつかのアプローチがあります。
店長は、現状と目標のギャップをどう埋めるかを考え、作戦を立てます。店長のアイデアやリーダーシップ、行動力が問われます。
売上の公式いろいろ
売上=客数×客単価
客数①=新規顧客+既存顧客
客数②=満席率×回転率
客単価=ひと皿単価×注文数
どの数字をどうやって上げるか考えよう!
お客様の案内をどうするか、おすすめ商品をどう訴求するかなど、自身の経験だけでなく、店長仲間や色んな人の意見を参考に取り組みます。
・目標の設定
飲食店は繁忙期と閑散期が明確に分かれます。また、店舗によって平日と週末、ランチとディナーで客数・客層が異なり、売上も大きく変化します。
自分の店舗の特徴を把握し、曜日と昼・夜ごとに客数×客単価の目標を設定するのが店長の仕事です。
目標設定は他の社員や主要なアルバイトさんとも必ず共有しましょう。「今月は何をどれだけ頑張れば達成!なのか」を明確に示してあげましょう。
目標売上を突破した時の達成感は最高です☆
経費の管理
・固定費の管理
固定費とは売上にかかわらず、毎月一定の金額が引かれる費用のことです。
固定費の例
・家賃 地代・減価償却費・物品リース料・支払利息・正社員の給与 など
固定費を下げるには、立地変更や家賃交渉、リース契約の見直し、固定費の変動費化(正社員業務をアルバイトに任せる)するなどの方法があります。
ただ、チェーン店では家賃やリース契約を店長の判断で変更することはできません。その判断は本社の役割です。店長は変動費の管理に重点を置きます。
・変動費の管理
変動費は、食材費や水光熱費など、使った分だけ変動する経費の事です。店長は不要な経費や無駄な経費を削減し、1円でも利益を獲得できるようにします。
変動費の例
・食材費・人件費(正社員の残業代含む)・販促費・水光熱費・その他雑費 など
食材の適正な量目チェックや廃棄食材の活用、シフトの見直し、正社員の残業時間の原因究明など、現状をよく見てから取り組みます。
ただし、削減のし過ぎはお客様満足度、従業員満足度の低下(QSCAの低下)に直結するので注意します。
利益ばかり求めない
店長には利益責任がある一方で「利益を求めるあまり、料理や接客がおろそかになっていなか」を常にチェックする責任もあります。
例えば、食材の量を規定より少なくしたり、人件費をおさえて少人数で無理やり営業すれば、経費は下がります。
しかし、そんな営業をすれば顧客満足度は大きく下がります。料理やサービスが間に合わず、クレームが多発し、働く従業員の不満も高まってしまいます。
お客様は2度と来てくれませんね…
お客様の期待を裏切るような状態で獲得した利益は絶対に続きません。店長は普段の営業状態が適正な状態で維持されているかをチェックする必要があります。
目の前の利益だけを追いかけないように!
店舗の状態管理
QSCAの管理とHVBへの取組み
QSCAの管理
QSCAとは
Q…料理の質 S…サービスの質 C…清潔 A…店舗の雰囲気
飲食店の店長になったら、耳にタコができるほど聞く「QSCA」…
QSCAの管理が大切だ!!と耳にタコができるほど繰り返される最大の理由は「顧客満足に直結し、リピーター獲得に繋がるから」です。
店長は、どれだけ忙しくても基準となるQSCAが常にキープされているかをチェックし、レベルが低い部分は原因を探して高めなければいけません。
QSCAのレベルは店長のレベルともいわれるんだ!
参考→QSCAとは?徹底解説の記事を見る
参考→接客力の高め方の記事を見る
HVBで差別化する
より高みを目指す「HVB」といわれる指標もあります。
HVBとは
H…Hospitality(もてなし) V…Value(価値) B…Brand(ブランド)
QCSAが顧客満足の獲得なら、HVBは顧客感動を獲得するための基準です。
高級な食材や過度なおもてなしをする必要はありません。お客様が何を求めて(どんな価値を感じて)来店されているのかを突き詰めることが顧客感動に繋がります。
QSCAの土台を作り上げ、さらに顧客感動を提供し続ける店の店長は、会社にとっても必要不可欠な人財となります。
店長のこだわりとリーダーシップの見せ所だね!
参考→HVBで顧客感動って?の記事を見る
労働環境の管理
労働環境の管理って、店長じゃなくて本社の仕事じゃないの?と考えてはいけません。
店長のお客様は働いてくれる従業員です。お客様である従業員が気持ちよく働ける環境を整えるのは店長の大事な仕事です。
危険・苦痛な作業の除去や緩和、日々の作業もちょっとした配置換えで見違えるほど楽にこなせるようになったり、ストレスなく仕事ができたりします。
常に今がベストな環境かどうかをチェックし、改善を続ける姿勢が求められます。
労働環境チェックの例
・ハッとする危険な箇所は無いか(気を使いながら作業していないか)
・温度環境、照明は適切か(仕事場や更衣室・休憩室・倉庫など)
・重労働や劣悪作業の緩和(運搬器具や便利な道具の検討)
・物の配置や収納場所の再検討(一手一歩で済むよう、早く近くに)
・冷蔵庫、洗浄機、レジなどの機械の状態管理
・事務所やバックヤードまで、整理整頓が徹底されているか
・従業員トイレはお客様のトイレ以上にキレイか
管理業務の全てを店長が行う必要はありません。
日々の機械メンテナンスや清掃作業は業務としてアルバイトや他の社員に振り分けて構いませんが、実施の指示やチェックを行うのが店長の仕事です。
ちょっとでも気になる所はメモしておこう!
人間関係の管理
・人間関係を良好に保つ
店舗の人間関係が良好でないと、チームワークが悪くなって効率が下がるだけでなく、最悪の場合スタッフの退職につながります。
スタッフ同士が衝突したり、ささいなトラブルから職場の空気が悪くなる事はよくありますが、見て見ぬふりをしたり、一方的な立場で解決をしてはいけません。
店長には、問題を放置せず、両方の立場に理解を示して仲裁し、妥協点を見つけることが求められます。
すぐに対応するクセをつけるのが大切だ!
よくこじれる人間関係の例
店長と部下 社員とアルバイト 調理場と接客 閉店準備と開店準備 平日と週末 ベテランと新人
スタッフの顔色・声色・態度の違和感、ちょっとした愚痴にもアンテナを張って、お互いの関係がこじれきってしまう前に対応できるとGOODです。
また、店長自身の言動や言葉使いにも注意しましょう。店長の人柄やキャラは個性として大切にしながらも、スタッフへの挨拶や感謝、礼儀を忘れてはいけません。
・チーム力を高める
例えば、どこかの店舗に店長として配属された時、ベテランスタッフに気を使って「波風立てずに現状維持」ではより良い店舗作りはできません。
店長は、しっかりとリーダーシップをとって、店を成長させなければいけません。
自分一人で頑張るのではなく、人を活かして役割を与え、チームとして成果を出す動きができる店長は‟デキる店長”といえるでしょう。
チームが進む道を示すのは、店長の大事な仕事です
人財の育成
パート・アルバイトの育成
飲食店の営業はアルバイトさん無しには成り立ちません。
新人スタッフの育成はもちろん、すでに店舗で働いているメンバーに対しても足りない部分を補うための教育が必要になります。
意識を高めるために定期的なミーティングを実施したり、今あるルールや基準を見直して、マニュアルを再整備するのも店長の仕事です。
アルバイトが定着しやすい店舗作りを目指そう!
ただし、良くしようとするあまり粗探しのようになってはいけません。既存のスタッフとの関係に溝が生まれてしまわないように配慮をしながら進めましょう。
部下の社員の育成
部下となる社員の育成は、新入社員として自分の店舗に配属されてくるパターンと、他店舗の社員が自分の店舗に転勤してくるパターンです。
基本的なオペレーション教育以外に、勤続年数や経験に応じた社員教育をするのも、上司としての役割です。
時にはきちんと教え込み、時には働く姿を背中で見せて、次の店長候補をしっかりと育てることも店長の仕事です。
人財を育てられる店長の評価は高いぞ!
特に、アルバイトさんやお客様への接し方は上司の態度を見て学ぶことが多いので、部下を持つ店長はそういった部分も見られてると肝に銘じましょう。
会議・報告・MTへの参加
大手企業の店長になったら避けては通れない会議・ミーティングへの参加。資料を作成し、上司相手に報告をするのは店長だけがこなす職務です。
これが時間的にも精神的にも結構な負担になるんですよね…
ただ、自分の取組みや成果をアピールできる最大の機会でもあります。会議やMTの場は昇進や評価につながるチャンスの場でもあるのです。
本社規模の会議や月数回のミーティングレベルの会議まで、色々あるんだ
MT資料の作成
多くの会社では月に1回(月末)か2回(月半ばと月末)行われます。会社によって資料のフォーマットは違いますが、おおむね以下の内容です。
・目標に対するギャップ
・良くも悪くもその理由
・残り半月、もしくは来月・それ以降は何をするか
上司はいつも店舗にいるわけではないので、店長は店舗の現状と、問題・課題点と解決策が伝わるように資料を作成します。
ただ、アルバイトさんから「店長、また事務所で報告資料作ってるわ…忙しいのに」と思われないよう、より早く、より良い資料を作成することが求められます。
毎回、徹夜しちゃいます…
参考→会議の資料ってどうやって書けばいいの?の記事を見る
会議への出席&報告
上司との会議では、成果が良くも悪くも言い訳せず、前向きな姿勢で臨みます。一方的な報告に終わらず、相談し合って今後の店の方針を固めます。
報告を明解に簡潔にするためには、スキルを学び、経験を重ねる必要があります。初めは慣れなくても、回数を重ねるごとにポイントがつかめるようになります。
報告の仕方で店長の印象はガラッと変わるよ!
また、会議で決まったことをすぐに実行に移す行動力や、自分の店のスタッフに連絡・浸透させる力も店長に求められるスキルです。
参考→上司への報告会議 デキる店長の話し方
クレーム処理
店内でクレームが発生した時、その瞬間はアルバイトなどが一次対応者となりますが、最終的に対応を完結させるのは店長の仕事です。
発生するクレームは異物混入や衣服汚損、接客態度など、内容は様々です。お客様が何に怒って何を求めているかをくみ取る対応力が求められます。
店長が対応してくれて助かったわ~
特に、モンスタークレーマーといわれる‟言いがかり”への毅然とした対応や、食中毒などの事案に対しては冷静に対処する必要があり、知識や経験が問われます。
また、店長がいなくても対応できる人財を育てることも重要です。判断基準を記したマニュアルやケーススタディを用いてクレーム処理教育をしましょう。
上司や会社の判断基準も把握しておこう
参考→異物混入クレーム対応の記事を見る
参考→衣服汚損対応の記事を見る
参考→食中毒の恐れがある時はの記事を見る
参考→クレーム謝罪文の書き方の記事を見る
まとめ
飲食店では、ピーク時間は目の前の料理や接客をこなし、それ以外はパソコン業務に追われて1日が終わります。繁忙期であればなおさらです。
そのような中でも、店長には、どうやったらより良い店づくりができるのかを常に考えながら営業に臨む必要があります。
「良い所も悪い所も現状維持」で満足しないぞ!
スタッフを活かしながら、何かひとつでもほんの少しでも前に進めることができれば、きっと楽しい店長ライフが待っています!