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飲食店でアルバイトが辞めない店づくり「教え方改革」で人財を育て、即戦力に!

飲食店はアルバイトの存在無くしては成り立ちません。しかし、アルバイトというのはそもそも流動的な雇用で、すぐに入れ替わってしまいます。

中にはベテランスタッフといわれるように、長い間お店の戦力となって業績を支えてくれる人もいますが、卒業・引っ越しなどで辞めるスタッフも多くいます。

はじめ店長

毎年×2ずっと同じ教育の繰り返しですね…

また「初心者歓迎って書いてたのに、全然教えてくれない」「なんだか怒られてばっかで嫌になる」「向いてないのかな」と、すぐに辞めてしまう人もいます。

はじめ店長

あぁ…厳しくし過ぎたのかな…、それとも優しくしすぎたのかな…

辞めさせずに、育てて戦力にするためには、教える側の店長や先輩スタッフが教え方のスキルを習得しなければなりません

この記事を書いた あにき店長 です

■飲食店で店長を10年以上経験している現役飲食店長です。

■(こんな僕ですが)飲食業界で働く人の悩みや不安を解消したい!

■飲食サービス業が大好き!魅力ややりがいを伝えたい!

■お客様、上司や部下、アルバイトさんと接した日々は宝物

この記事では、アルバイトに仕事を教えるときの教え方について、最も適していると言われている教え方を紹介します

「教え方」は、めっちゃ大事

辞めるも育つも教え方ひとつ

戦力になるかどうかは教え方ひとつです。確実に成長するか、あやふやなまま放り出されるか、嫌になって辞めてしまうか、店長の教え方次第です。

丁寧に教え、やる気を引き出し、自信を持たせてこそ、新人スタッフは成長してゆきます。

慣れていないのにスパルタで厳しく教え込まれ、緊張し、間違えば直ちに注意をされる環境で、誰が働きたいと思うでしょうか。

はじめ店長

僕だったら1日も早く辞めてます…

「教え方」を教えよう

他のスタッフに教育を任せている店長は、そのスタッフがどのように新人さんを教えているのか、観察する必要があります。

先輩スタッフの自己流を教えていると、いつか「そのやり方、誰に教わったの?」などと、後で新人スタッフが傷付くことになりかねません。

教える相手の年齢や経験にあわせて適切な言葉使いや振る舞いができているかも要チェックです。

はじめ店長

「教え方」を伝えることから始めよう!

教える側にいる人全員が「正しい教え方」を習得する必要があります

山本五十六の「やってみせ」

山本五十六(やまもと いそろく)

第二次世界大戦の海軍元帥大将として多くの功績をあげる。

敬意ある人格者として知られ、人材育成の大切さを論じる。上司・部下からの信頼が厚く、社交的で国際感覚に長けた人物であると伝わる。

人に教えるの何たるかを学ぶ名フレーズ

やってみせ、言って聞かせて、
させてみせ、ほめてやらねば、
人は動かじ。

解説

まずはこちらが見本をやってみせる。ポイントや大切な部分を説明し、その後、相手にさせてみる。

できていない事だけをあげつらうのではなく、一つでもできたところを見つけて褒める。指摘して正すのはその後。

このフレーズは、山本五十六が上杉鷹山の言葉から影響を受けたとされるものです。教え方の話で必ず出てくるフレーズです。

物事を人に教えるときの順番と心構えが凝縮されています。

最重要ポイントは以下の2点

まず自分がやってみせる

ほめて伸ばす

です。

はじめ店長

ほめるのって難しいですよね…

飲食店にこそぴったりの教え

山本五十六の「やってみせ」の教えは、「あるべき基準」を達成させるための教育が中心となる飲食店で、最適な考え方であるといえます。

接客でも、調理でも、あらゆる業務を教えるときに、この順序と心構えを忘れずに教育を進めてゆきましょう。

はじめ店長

順序だてて教え、ほめて伸ばそう!

ちなみに…「やってみせ」の続き

ちなみに、「やってみせ」には続きがあります。

あにき店長

また別の記事で解説します!

話し合い、耳を傾け、承認し、
任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

これが山本五十六の「やってみせ」の続きです。「やってみせ」は人に教える事の心構えを説いていますが、後半は「人への任せ方」を説いています。

【保存版】教え方マニュアル

山本五十六の「やってみせ」にのっとり、全員がこの方法で指導できるようにしましょう。

①初めての人はちょっと会話する

人に教えるときは、相手の緊張をほぐすためにちょっとした会話をします。ここでの会話は、別に仲良くおしゃべりをするわけではありません。

自己紹介や慣れたかどうかをちょっと話す程度で構いません。

「初めまして、〇〇です。今日からですね。…そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ☺」

「どうも、〇〇です。慣れました?そうですよね、そんなすぐにはね~。何でも聞いてくださいね☺」

店長から新人スタッフの情報を聞いておいて、「おっ!サッカー部の!」とか「あ!長野県の!」「おぉ、キャンプが趣味の!」というのもおススメです。

②何を教えるかを伝える

これから何を教えるかを端的に伝えます。いつどんな時にこの作業をするのかと、特に気を付けることを伝えます。

「では、これから‟ファースト”を教えますね。‟ファースト”は、新しく来たお客様にこのシルバーセットを持っていって、メニューとベルの説明をするっていう接客です。」

「気を付けて欲しいのは、テーブルの前できちんとお辞儀することと、ランチメニューをちゃんと伝える事です。」

③見本をみせる

見本を見せることで「求められる基準」が明確に相手に伝わります

最初に見本を見せることを伝えて、実演します。

丁寧パターンと、ナチュラルスピードパターンの2回するのがおススメです。

「じゃ、一回見本見せるので、ちょっと見ててくださいね。」

(実演)

「ゆっくり丁寧にやるとこんな感じです。次に、自然なスピードでもう一回やってみますね。」

はじめ店長

目指す形やスピード感もしっかり伝わるね!

④説明する(解説する)

見本を見せた後は、大切な点、特に注意するべき点、お店として守っている基準を説明します。口頭でも、再び実演しながらでもどちらでもOKです。

相手が理解しているかを確認しながら説明します。こちらが一方的にまくしたててはいけません。メモを取っているようであれば、そのスピードに合わせます。

「いくつか意識して欲しい所を説明しますね。まずは、テーブルの前で必ず一礼をします。その後、シルバーセットは手前に横向きに置きます。それから…」

あにき店長

手抜きの方法や「大体で良いよ」などと教えないように!

⑤やらせてみる

新人スタッフに実際にやらせてみます。途中で分からなくなったらアシストをします。

接客の場合は、お客様がいないテーブルでロールプレイングで行います。調理の場合は食材がロスにならないよう先輩が見守りながら行います。

「では、いま説明したことに注意しながら、やってみましょうか」

「じゃあ、これとこれを持って、ここにお客様がいると思って、やってみましょう!」

あにき店長

説明したポイントを新人さんができているかどうかを確認します

⑥ほめる

まず、本人に感想を聞きます。その後で評価をします。

私たちにとってはできて当たり前のような事でも、慣れない新人スタッフはロールプレイングといえども出来ていたかどうか不安でいっぱいです。

一番大切なのはほめることです。具体的に良かった点を複数個ほめます。

「どうでした?やってみて」

「〇〇さん、かなり良かったですよ。テーブルの前で一礼できてましたし、シルバーセットを置く位置も完璧でしたね。」

⑦修正点を伝える

ほめた後に、気になった点、不十分な点を伝えます。自分が説明し忘れた点があれば、ここで伝えます。

その後、再びロールプレイングでやらせてみます。問題がなくなれば実践です。

「気になった部分は、シルバーセットを置くときにガシャンってなってたので、優しく置くようにしましょう。」

「すみません、言うの忘れてました。最後、トレイはこうやって持ちます。あと、メニューを指さす時は指先を揃えると丁寧に見えるので、意識して下さい。」

「だいぶ慣れてきましたね、じゃあ、次にご新規のお客様が来たら、実際にやってみましょうか」

はじめ店長

実践中も見守り、必ずほめ、その後に修正点を伝えましょう。

間違いはすぐに指摘しよう

営業中、新人スタッフが間違っていたり、忘れてしまっているのに気づいた時は、その場ですぐに指摘しましょう。

店長や教育担当じゃなくても、です。

気付いた人が、軽く指摘するだけで、本人は救われます。

「〇〇さん、今、ランチメニューの説明忘れてましたね~。皆あるあるですけど、説明お願いしますね。」

「もしかしたら、〇〇さんに教えるの忘れてたかもだけど、この時間はこれをしなきゃいけないんですよ。ちょっとこれから教えますね。」

早い段階で指摘しなければ、「私、ずっと間違ったままやってたんだ…」という気持ちにさせてしまいます

はじめ店長

お店の人全員で教えるんだという意識を持とう

新人教育スケジュールを立てる

一人前になるまでの計画を立てる

店長や先輩スタッフに求められるのは、1日も早く新人スタッフをひとり立ちさせることです。

でなければ、いつになっても店のメンバーの負担は減らず、社員は休めず、お客様に満足して頂くことはできません。

決して無理をさせず、詰め込み過ぎず、しかしできるだけ早く育てるためには、スケジュールを組み、確実にステップアップさせる必要があります。

あにき店長

教育スケジュールに関する記事はこちら!

OKの基準は妥協しない

「辞められたらイヤだから最初から細かく厳しく教えない」「なんか雑だけど、まぁOKでしょ。と妥協する」は絶対NGです。

「絶対的な基準」を守らせるのが店長の役目です。

ですので、教える先輩や店長自身が、あるべき合格ラインをきちんと把握しているかどうかも、非常に重要です。

新人アルバイトの教育を通して、再認識させられることも多いでしょう。手順や完成度はOKか、言葉使いや立ち振舞いは問題ないか…目を光らせましょう。

あにき店長

基準を守らせるのは、その先にお客様がいるから

アルバイトの教育は初日が大切

新人さんは初日が肝心です。いくら教育係が教え方を理解していても、お店として迎える体制や雰囲気づくりができていなければ、意味がありません。

採用が決まってから初日までの流れをまとめた記事もぜひ参考にして下さい!

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まとめ

現在は求人を出しても応募がほとんど来ない時もあります。まして、高い求人広告費と、出せる限りの時給を設定して新人さんを採用するのです。

あにき店長

まずは定着してもらえる環境づくりだね!

辞めさせずに、教育し、戦力にするためには、順序に沿って見本を見せ、ほめて育てるという教え方の基本が大切です。

教える側の店長や先輩スタッフがこの教え方のスキルを習得しなければなりません

そうすることで、新人さんはやがて、中堅、ベテランスタッフへと成長し、店長の目指す理想のお店を作るためのパートナーになってゆきます

はじめ店長

アルバイトさんは繁盛店づくりには欠かせない存在ですね!