新米店長売上UP塾

【超重要】飲食店客数アップ計画③‐1新規獲得と既存顧客の維持はどちらが大事?

あにき店長

この記事では、客数を表現する大切な数式、「客数=新規顧客+既存顧客(リピーター顧客)」を見て行こう。

はじめ店長

初めて来た人と、2回目以降の常連様か…

あにき店長

質問!どちらのお客様を大切にすればいいと思う?

はじめ店長

選べと言われれば…何となく…新規顧客ですかね…?

あにき店長

どうしてそう思う?

はじめ店長

今の客数を更に増やすには、新しいお客様に来てもらうしか無いような…

あにき店長

正解は…、どっちもだよ!

はじめ店長

そんな事だと思いましたよ。どっちか選ばせるような質問したくせに…

あにき店長

ごめんごめん。重要なのは、自分のお店はどちらに力を入れるべきなのかを判断する事だからね。一緒に考えよう。

はじめ店長

宜しくお願いします!

既存顧客の獲得の方が大事!

理想の割合 新規:既存=3:7

結論は、「既存顧客の獲得の方が、新規顧客を獲得するよりも大事」です。

新規顧客…初めて来店されるお客様。「一見さん」「衝動顧客」。

既存顧客…繰り返し来店されるお客様。「リピーター」「常連様」。

飲食店の新規顧客と既存顧客の理想の割合は3:7で、このバランスが保たれている時が一番売り上げが安定すると言われます。新規顧客をひたすら追い求める事よりも、既存顧客を獲得し続ける方が大切であると言えます。

既存顧客を獲得するということは、新規のお客様をリピーターにするという事です。更に、2回3回来てくれたお客様に、「また次も来よう」と思ってもらうようにする事です。

はじめ店長

リピーターの獲得と維持に力を入れる方が良いんだ!

料理や接客にこだわる、店の雰囲気に磨きをかけるなど、新規のお客様がリピーター、常連様になるように、お客様満足度を上げる事が重要です。また、来店ポイントや次回サービス券など、再来店を促すツールを活用しているお店もあります。

【1:5の法則】新規顧客を獲得するのはコスト高!?

あにき店長

新規獲得よりも既存顧客を優先する理由の一つが、1:5の法則だ。

1:5の法則とは

新規顧客を獲得するには、既存顧客を獲得する(新規のお客様をリピーターにさせる)よりも5倍のコストがかかるという法則。新規顧客は獲得コストが高いにも関わらず、利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に既存顧客の維持が重要であるという考え方。

消費者は、新しい商品やサービスを購入する時は、失敗したくないと考えます。そのため、食品であれば試食コーナーがあり、化粧品であれば、サンプルや試供品で「ぜひお試しください」とキャンペーンをします。

飲食店でも、開店記念の割引セールをしたり、新聞折り込みやポスターなどで認知してもらうためにコストがかかります。

そういった広告宣伝費用や時間と手間をかけて獲得した新規顧客の利益率は、当然、低く抑えられます。

あにき店長

既存顧客が離れてしまうと、新規獲得にコストをかけなきゃならない。

はじめ店長

つまり「既存顧客が離れてしまうのは、高くつく」という事ですね…

【5:25の法則】既存顧客を大切にするべき理由

既存顧客を大切にする2つ目の理由は、5:25の法則です。顧客離れを5%改善させれば、25%の利益率が改善するという法則です。「本当に?」「どういう事?」と思うかもしれませんね。もう少し詳しく説明すると、「新規獲得に必要なコスト」と、「既存顧客を維持するコスト」を比べると後者の方が格段に効率的であり、かけたコストに対する効果が大きいという法則です

はじめ店長

今のお客様の5%を離れないようにするだけで!?

あにき店長

既存顧客の維持にコストを割くのはメリットが大きいんだ。以下に、3つのメリットを紹介しよう!

1.既存顧客がご新規様を連れてくる

既存顧客を大切にするという事は、料理の質・スピード、スタッフの教育や店内の雰囲気などにコストをかける、満足度を高めるという事です。そうすれば、既存顧客は「また来よう」と思います。すると、既存顧客の再来店に加え、仲間のご新規のお客様を連れてまた来てくれるという事に繋がり、大きなメリットがあります。後で説明しますが、0から新規顧客を獲得するには膨大なコストがかかるのです。お仲間同士の口コミでの新規獲得はコスト0です。

更に、単純に仲間を連れて再来店するパターンだけではありません。「妻がママ友ランチでこの店を使っていて、雰囲気が良いって聞いたので」と、旦那さんが会社の飲み会で利用するきっかけになる例もあります。ちなみに、ママ友ランチで利用した妻も、別のママ友から教えてもらったという事です。それほど家族や友人・職場内のコミュニティーでの口コミは強い影響力があるのです。

SNSの評価や、料理や店内の写真でお店を決めたりする事もあるわね!

2.再来店を促すのが容易である

自分の店を全く知らない人に、認知してもらい、来店に繋げるためには膨大な広告宣伝費がかかります。SNSでの発信も0から認知されるまでは時間と手間がかかります。

一方で、一度店を利用した人は低コストで再来店をうながすことができます。飲食店における「離脱顧客を取り戻す」ことは、難しいようですが、上手くいけば、以前よりもファンさせる事も可能です。

3.単価の高い商品を購入してくれる可能性が高まる

既存顧客を大切にしていると、時として、普段とは違う利用動機で来店してくれる事があります。普段は同僚と飲みに来ている会社員が、部署の忘年会をしてくれる、平日のママ友ランチのお客様が、家族でおばあちゃんの長寿祝いを予約してくれるなどです。

チェーン店のファミレスであっても、「ちょっと飲むだけならここで十分だな」とプラス1杯オーダーが入ったり、「この後喫茶店行こうと思ったけど、ここでコーヒー頼んじゃおうか」という居心地の良さが追加注文に繋がったりします

あにき店長

満足度を高めて、ファンになってもらう事がなによりも大切なんだね。

また、レジや玄関に陳列してあるお土産やオリジナル商品の購入のハードルも下がります。店内で使用している出汁やドレッシング、レトルト商品などのテイクアウト商品も、満足度が高ければ購入に繋がり、客単価のアップに繋がります

はじめ店長

5%のお客様が離れるのを阻止すれば、25%の利益が改善する理由が分かりました!

新規顧客の獲得はしなくていいの?

既存顧客は自然減少してしまう

既存顧客の維持にコストをかけるべきだと言われる一方で、年間30%の既存顧客は自然減少してしまうと言われています。

はじめ店長

えっ!こんなに頑張って既存顧客の維持に努めているのに!?

既存顧客の中には、特に不満があるわけでもなく、「何となく行かなくなった」という理由で店に来なくなる人もいます。

また、「前の上司は日本酒が好きだったけど、次の上司はワインが好きで」といった顧客の好みの変化が理由で足が遠のく事もあります。

今、来てくれている常連様も、引っ越しや転勤、病気などの理由で来られなくなるかもしれません。このような、物理的に来店できない場合は、どう頑張っても繋ぎとめることは厳しくなります。

その事から、自然に減少してしまう分の新規顧客の獲得は常に続ける必要があると言えます。

あにき店長

定期的に、新規獲得の施策を打つことを忘れないようにしよう!

新規獲得はお店の成長に合わせて行う

1.創世期・成長期

新規で開店したばかりのお店は、そもそもリピーターや常連様と言われる既存顧客がいないので、新規顧客を獲得する施策を優先しなければなりません。

あにき店長

開店から一定期間は新規顧客の獲得を積極的にやる必要があるね。

例えばチラシを作成して近隣へのポスティングやビラ配り、Twitter、InstagramなどSNSでの告知、開店記念セールを実施するなどです。実際にお客様が店に来られたら、新規のお客様をリピーターにするような料理や接客に全力を注ぎましょう。

2.成熟期

地域の認知が広まり、既存顧客の獲得も安定している時期ですが、例え売上や客数が安定してきても、上述したように3割の既存顧客は自然減少してしまいます

ただ、開店当初とは違い、どの客層がメインか、どんな目的で利用してくれているかがある程度明確になります。自分の店の客層に合わせ、強みをよりアピールできる集客施策を打つことができます

更に、飽きられないよう、期間限定・季節限定などの新メニュー導入や企画を定期的に行います。その都度、新規顧客の獲得に繋げながら、既存顧客との絆も深めるようにしましょう。

はじめ店長

お客様を観察・分析して

また、この時期は、既存顧客の情報管理をしっかりとしましょう。個別のDM(ダイレクトメール)やテルアポ、忘新年会・歓送迎会シーズンはお得意様や近隣の会社へ挨拶に行くなど、お客様の囲い込みをする時期でもあります。既存顧客との絆をさらに深める事で、紹介や口コミによって新規顧客を獲得するという流れを作ります。

3.衰退期

「衰退期」と言われると、なんだかお店が潰れてしまうような雰囲気がありますが、そうではありません。この時期は、近隣に競合する飲食店が出現したり、店の商圏地域で、ある程度のシェアが確立され、新規顧客の獲得が伸び悩む時期です。

成熟がマンネリとなり、客数が伸び悩んでいるお店の場合、新たな客層を取り込む方法を検討するのも良いかもしれません。客層を広げたり(お子様料理を増やしてみる、コース料理あるいは単品料理を充実させる、お酒の種類を増やしてみる)、時間帯別に強化したり(サラリーマン(OL)ランチを導入してみる・カフェ利用の強化)などがあります。商圏の見直しをしたり(多くの路線が入り乱れる都市では、思わぬ路線が商圏範囲を拡大してくれるかもしれません)

ぶちょ

既存の客層とバッティングしないよう良く検討しよう。

あにき店長

いずれにせよ、リピーター獲得の行動は継続し続ける事が大切だね。

まとめ

この記事では、「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持」はどちらか大事かを、飲食店の目線で見てきました。

限られたコストをひたすら新規顧客の獲得に使ってはいけません。新規顧客をリピーターにするための料理・スタッフ教育・店舗の雰囲気づくりなどに投資することが重要です。そしてこれは継続して行なう必要があります。

既存顧客の獲得・維持の方が、新規顧客の獲得よりも大事

一方で、新規オープンのお店の場合は新規顧客の獲得に力を注がなくてはなりません。お店が成熟しても、既存顧客は年間30%の割合で自然減少します。お店の成長段階や直面している課題に対して、都度、スポット的に、効果的だと思われる集客施策を行う事が重要です。

「新規顧客獲得の施策は店の成長に合わせて定期的に」

はじめ店長

限られた時間やお金をどちらに投資するべきか、理解できました!

あにき店長

続いて、既存顧客を獲得・維持する方法や大事なポイントを見て行こう!