新米店長売上UP塾

【超重要!】新米店長の客数アップ計画①「回転率」を徹底攻略!

ぶちょ

そもそも、客数とはどういう事か分かっているかね?

はじめ店長

はい!「お客様の数」です!

ぶちょ

まんまじゃないか!違う!客数の中身の話だ!

はじめ店長

中身って…男性とか、家族連れとかですか?

ぶちょ

それは「客層」だ。客数をアップさせるという事は、何をアップさせるという事か分かるかね?

はじめ店長

そうですね…「割引セール」や「店頭で呼び込みをする」して、新しいお客様を増やすってことでしょうか。

ぶちょ

確かに、それも効果があるかもしれない。でも、そのような集客企画よりも大切な事がある

はじめ店長

客数アップに大切な事ですか?

ぶちょ

飲食店では、客数は、「稼働席数×回転率」という数式で表現される。客数アップに取り組むときはこの数式をよく理解することから始めよう。

超重要!客数=稼働席数×回転率を解説

あにき店長

「稼働席数×回転率」の「稼働席数」とは何か、「回転率」とは何か、具体的に見てゆこう

稼働席数=総席数×満席率

稼働席数とは、満席になった時に実際にお客様が利用している席数の事。

総席数に対して稼働する席が少なくなってしまう理由は様々です。例えば、1名様の来店が重なったり、6名様まで入る席に2名様を案内してしまうと、稼働席は少なくなります。また、コロナ禍で呼びかけられた、「‟ひとテーブル4名まで”という縛り」などもその一つ。

満席の時、総席数に対して、稼働している席がどれぐらいか、それは「満席率(客席稼働率)」という数字で示すことができます。

満席率(%)…満席の時の客数÷総席数(×100)

はじめ店長の店は6名テーブルが6卓、4名テーブルが5卓、カウンター席が6席の総席数62席です。ランチタイムに満席になった瞬間、店内にお客様が何名いるかを数えます。

数えてみたら、38名でした。満席率は38÷62×100=61%です。

はじめ店長

満席で、待っているお客様もいるけど、店内は半分ちょっとの席しか稼働していないのか…確かにいつもこんな感じかも。

つまり、はじめ店長の店の稼働席数は

あにき店長

稼働席数=総席数(62席)×満席率(61%)…38席

だね。続いて「回転率」を見てみよう。

回転率=お客様の数÷稼働席数

回転率は、お店に来た客数を稼働席数で割ることで出すことができます。

では試しに、はじめ店長のお店のランチタイムの回転率を計算してみましょう。

今日のランチタイムに来店したお客様は全部で55人だったとします。一方で、満席になった瞬間の店内の稼働席数は約38席でした。この日のはじめ店長のお店の回転率は…?

あにき店長

ランチタイムの客数(55人)÷稼働席数(38席)=1.45回転

注)回転‟率”となっていますが、%表記ではなく、そのまま〇回転と表すのが一般的

はじめ店長

ということは、今日のランチタイムに来てくれた55人のお客様は

稼働席数(38席)×1.45回転=55人

という55人なんですね。

あにき店長

実際の営業では各テーブルごとに何回転するかは違うし、稼働する席の数もお客様をご案内する度に増減するけど、ざっくり捉えるとそうなります

はじめ店長

つまり、客数を増やすためには、稼働席数(総席数、満席率を上げる)と、回転率を上げるの2つを上げる方法を考えれば良いのか!

明日から回転率を上げる方法5選

①料理の提供スピードを早くする

回転率を上げるために一番効果的と言われているのが、料理提供スピードを上げる事です。お客様が料理を注文した後に待つ時間を少なくする事は、回転率を上げると同時に、お客様の満足度にも直結します。

事前の仕込みを極める

まずは調理や食材の準備です。鮮度や出来立て感を天秤にかけながら、できる限り「事前に仕込んでおく」ことで、オーダーが通った瞬間に、あとは器にのせるだけ・ラップを取るだけ・レンジで〇秒温めるだけ、等の状態を何品目極められるかが、提供スピードを大きく左右します。1分1秒を縮められるものはないか、目を光らせましょう。

はじめ店長

1秒でも縮めるために何ができるだろうか。明日からチャレンジしよう。

スピードメニューを決める

また、スピードメニューを決めておくのも良い方法です。ランチメニューの中でも比較的単価が低く、出品数の多いメニューをピックアップし、「このメニューが通ったらスピード最優先で提供する」と店内で共有しておきます。そのメニューだけは完成のギリギリの段階まで仕込み、鮮度や完成度は100%追及しないという割り切りも大切かもしれません。

案内時に客層に応じてスピードメニューのおすすめをすることも効果的です。

運ぶスピードにもこだわる

料理を運ぶスピードも大切です。ピークの時は調理場とホールの連携ができていると、提供スピードが格段に上がり、回転率アップにつながります。例えば、メイン料理以外の簡単な補助や配膳をホールが手伝えているかどうか、逆に、ホール全員が料理を運べない瞬間に、調理スタッフが料理を運べているか?等です。料理を早く提供するため、お互いに何が手伝えるか、相談してみるのも良いかもしれません。お店の規模によっては、店長はレジやオーダー取りよりも、調理場とホールの間のクッション・潤滑油に徹する必要があるかもしれません。

あにき店長

料理提供スピードアップはお客様の満足度の大幅アップにもつながります

料理ごとの提供スピードの違いに気を配る

店長や調理責任者は、店全体の料理提供スピードを安定させるために、都度、判断と指示をして各スタッフに指示を出す事も大切です。例えば、「ナゲットは後程お席までお持ち致します」「定食の天ぷらは揚げたてをお持ち致しますので、少々お待ちください」と言われた経験はありませんか。一つのセットや定食が全て完成するまで待っていたら、たちまちオーダーの渋滞が発生してしまい、提供スピードが大幅に低下します。結果、お客様からのクレームになるだけでなく、滞在時間が延び、回転率も下がってしまいます。

 オーダーの注文順と料理の完成が前後してしまう事もありますね。順番だと、単価が高く、時間がかかる料理の方を先に提供しなければいけないのに、さっきオーダーが通ったばかりのスピードメニューが完成してしまうなどです。その時は、スピードメニューを先に提供し、前後してしまうお客様にフォーローの指示を出しましょう。「お料理が前後して申し訳ございません。間もなく参りますので、もう少々お待ちくださいませ」という声掛けをホールスタッフに指示をするという具合です。

②助け合うためのスタッフ教育と風土作り

調理スタッフがホールを、ホールスタッフが調理を瞬間的に手伝うためには、事前の教育や準備が欠かせません。

教育や準備は、店長が個別にスケジュールを立てて進めなければなりません(直接教えるのは店長でなくても構いません)。ヒマな時間の数分を使って、手伝ってほしい部分の教育の時間にあてましょう。どの人に、どのようなスキルを身に着けて欲しいか、それが、どのシーンでどう発揮されるのがゴールイメージか、該当する人とよく擦り合わせましょう。

その際、店長は、アルバイトさんが「別のポジションを手伝って、ミスしたら怒られるんじゃないか」という不安を感じないように配慮する事も大切です。手伝うことが過度の負担にならないように、完成写真をその場所に貼っておく、分かりやすい手順を書いておく、誰でもすぐに定量が計れるグッズを準備するなどです。

あにき店長

別のポジションお互いに習得し合う教育を交差訓練といいます。習得した技術に連動した給与アップの仕組みを設けている所もあるよ。

また、お店の規模が大きく、担当のエリアが決まっている場合があります。自分のエリアは自分が守るのが原則ですが、飲食店のピーク時間は一か所に一気に作業が重なる瞬間があります。その時、「ちょっとヤバいかも」「手伝いましょうか」「助かるよ、ありがとう」と言い合える環境を作るのも店長の大切な仕事です。他のポジションを手伝えるための教育と並行して、手伝って欲しい意思表示や、その後に素直に感謝を伝えられる風土を築きましょう。提供スピードが向上して回転率が上がるだけでなく、従業員満足度の向上につながります。

③バッシングを早くする

お客様が帰った後にすぐに次のお客様を案内できるように、バッシングは素早く行う必要があります。

・事前に下げておく

方法の1つが、事前にお皿やお膳をさげておく(あくまでテーブルの上を広く使って頂くサービスとして)です。すると、バッシングが一瞬で終わります。ただ、注意することは、「早く帰れってことか!?」というクレームにならないようにすることです。食べ終わってから少し時間をおいて、「こちらお下げしておきます、ごゆっくりどうぞ(←あえて言う)」の声掛けは忘れないように

・1WAY2JOBでスムーズに

早いバッシング方法の2つ目は、「1WAY2JOB(1つの作業をしたついでにもう1つ別の作業をこなす)」でバッシングするです。料理やドリンクを提供した時に、ついでに卓上をみて済んだ皿を下げると、お客様が帰った時のバッシングがすぐに終わります。他のテーブルの横を通りがかる時も、手ぶらで通過するのではなく、何か下げられる物はないかという目配りをしましょう。下げる際は「こちら、お下げ致します(お下げして宜しいでしょうか?)」と一声を添えます。お客様が席を立つ時、テーブルの状態は、食後のコーヒーやお茶と、伝票だけが卓上にある状態を目指しましょう。

調理スタッフが料理を運ぶ時も同様に、1WAY2JOBです。

手ぶらで帰らず、余裕があれば、調理場に戻るついでに、食べ終わった定食があればお下げしましょう。お客様が帰ったお席があればついでにバッシングしてから調理場に戻りましょう。店長や調理長が、各メンバーにこのような意識を持たせると、回転率はぐっと上がります

はじめ店長

ついでの作業で無理なくバッシング。皆で協力しよう!

・片付ける席の優先順位を意識する

1つのお店で、様々なタイプの席や部屋がある場合は、バッシングする席の優先順位を把握しておきましょう。飲食店あるあるで、1組のお客様が帰ると、芋づる式に席を立つお客様が続くことがあります。一気に様々な席をバッシングする…カウンター席・窓側の席・掘りごたつ席…。最初に片付ける席は、一番初めに待っているお客様の人数や客層にあった席を最初にバッシングするように心掛けましょう。お待ちのお客様がいなくても、どの席を一番に片づけるかの判断を常に意識するように伝えましょう。

・複数人で一気に片づける

お客様が待っている場合に限らず、日頃からバッシングを複数人で協力して一気に終わらせるようにしましょう。下げる、テーブルを拭き上げる、メニューをセッティングする、などの作業を分担し、1秒でも早く次のお客様に着席していただく事で、回転率は大幅にアップするはずです。

④案内・注文のスタッフ教育

・待っているお客様の注文をとる

満席で待って頂いているお客様にメニューを渡して、事前に注文をとっておくと、着席後にすぐ料理を提供することができます。メニューを見ながら待つことで気が紛れますし、料理提供の待ち時間、滞在時間が短くなり、回転率を上げる事ができます。

・スムーズな案内

ピーク時でも、お客様が入店されると、間髪入れずに「いらっしゃいませ。〇名様ですね。どうぞ、ご案内致します」と対応できるように、空席を把握しておきましょう。人数を伺った後に「少々お待ちください」といって空席を探しに店内に戻っていく人がいます。そうならないための方法として、常にインカムで伝達し合う、空席が分かるボードを玄関に設置するなどがあります。スムーズな案内は回転率をあげる第一歩です。

・早いメニュー・人気メニューにおすすめ集中化

また、ホールスタッフのおすすめでキッチンスタッフへの負担を軽くすることも結果的に提供スピードを早め、回転率をアップさせます。サラリーマンやOLには比較的早く提供できるメニューを提案する、仕込みが十分にあってオペレーションが慣れている人気メニューにおすすめを集中させる、時間がかかるメニューはその旨を伝えるなどです。このようなおすすめの一声は、回転率を上げながらも、お客様の満足度をあげる事にもつながります。

⑤機械化を進める

設備投資が必要にはなりますが、機械で済む業務は機械に任せましょう。具体的には、食券の機械の導入、セルフ自動レジ、卓上のタッチパネルでオーダーしてもらうなどです。

それらを導入することで調理、サービスに人材を集中させることができ、回転率を大幅にアップさせることもできます。

外食産業の人手不足は年々深刻化しています。限られた人数でできる限り最高の料理とおもてなしをするためにも、機械の導入は検討すべきでしょう。人手不足の解消だけでなく、例えば卓上のタッチパネルのオーダーシステムなどは、何か国語にも切り替えできるものもあり、より満足度を高めるツールとなっています。

逆に、高齢者がターゲットであったり、客単価が高く、サービスレベルも高いものが求められるようなお店で導入する時は、どの手間を機械で省くかをよく検討したほうが良いかもしれません。

注意!回転率は客単価とのバランスが重要!

回転率を上げるためには、店の居心地を悪くすればよいという論を耳にします。確かに、椅子を固くし、テーブルを小さくすれば、回転率が上がるのも事実です。店内の装飾に原色に近い強い赤い色を多用する(ラーメン屋さんなどに用いられている)のも回転率を上げる手法の一つです。

とはいえ、店長は、回転率を上げる取り組みをする前に、お店に来てくれるお客様は何を求めて来ているのかをよく考えなくてはいけません。

回転率が低くても、客単価が高ければ、売上をキープすることができます。客数をとるのか、客単価をとるのか、回転率で勝負するのか、稼働率・満席率にこだわるのかは、提供しているメニューの単価・内容に大きく左右されます。店長だけでなく、上司や会社の経営判断となるところでしょう。

しかし、繰り返しになりますが、提供スピードを早くするための準備や、お客様をスムーズに案内して注文を聞く取り組みなどは、回転率を上げると同時に、お客様の満足度を向上させる事に繋がります。去年より、昨日より一人でも多くのお客様にご来店頂けるように取り組んでみてください。

稼働席数(満席率)を上げる方法へ続く

あにき店長

回転率の考え方は理解できたかな?細かいことだけど、客数は日々の積み重ね。何か1つでも良いから、お店のメンバーと共有しよう。

はじめ店長

ありがとうございました!ところで、客数アップには、回転率だけではなく、‟稼働席数を増やす”というアプローチもあるんですよね。

あにき店長

稼働率・満席率を上げる方法だね。それに関してはこちらの記事で紹介することにしよう。小さな対策も組み合わせれば大きな効果を発揮する。営業部長もはじめ店長のお店の変化にびっくりするかもね!

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